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空気の研究 [書籍他]

 面白うてやがて具合が悪くなる一冊。

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

  • 作者: 山本 七平
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1983/10
  • メディア: 文庫

 何が具合が悪いか?って本書に登場する当時の世相が今とあまり変わらない事。本書では放漫財政で破綻寸前だった美濃部都知事が自動車の排ガスに含まれる窒素酸化物を悪者に仕立て上げて課税しようとする例を挙げていますが、40年後の現代では小池都知事が選挙の得票目当てで豊洲市場の土壌汚染問題を曖昧な科学的根拠でやり玉に挙げて叩いていてその図式は何ら変わらない。もう一つ、金属カドミウムの棒を見て逃げ惑う新聞記者の話も出てきますが、その逃げ回った連中が今や新聞の論説だ主筆だのになっているので、「フクイチの汚染水」なる実は飲んでも海に流しても支障無いとも言われる水を溜め込んでいるのも同じ構図だ。

 自動車の排ガス問題は、1970年代の大騒ぎを見て山本氏は沖縄に突っ込むべく出港して案の定鹿児島沖で沈没した戦艦大和の無謀な作戦行動を連想したのです。しかし、今となっては欧州も中国も排ガス対策せざるを得なくなって連綿と排ガス対策をし続けて技術とノウハウ蓄積していたのが良かったと思う。欧州は窒素酸化物よりもディーゼル車の排ガスかな、それも石原都知事(またもや都知事)がスス入りの容器を振ったお陰で都内じゃ問題解決したので当時はともかく結果オーライではあるかなと。

 空気と言うのは平成生まれでも「空気読め」とか言うので依然として存在する概念ですが、本書で研究している昭和の空気と平成の空気は異質な気がする。小池都知事が知事選に立候補して都議会選に勝利するまでの構図は確かに空気を操って風を起こしているな、風頼みだけに衆議院選では余計な事を言って霧散解消して失速しましたけど。他方「もり・かけ問題」で朝日新聞他メディアが必死に空気を作り出そうとした割に同じく衆議院選では風が起きなかったのも面白い、若い有権者は現実主義と言うよりも空気に頼った選挙戦が若い人に通用しなかっただけじゃないの?本書で明治から昭和期の日本を支配していたとされる空気は今ではそれほどもう力を持っていないのかなと。

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ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた [書籍他]

 大島渚訳にビックリ、あまりに普通の翻訳物なのでプロの手によるものだと。

Men Are from Mars, Women Are from Venus: A Practical Guide for Improving Communication and Getting What You Want in Your Relationships

Men Are from Mars, Women Are from Venus: A Practical Guide for Improving Communication and Getting What You Want in Your Relationships

  • 作者: John Gray
  • 出版社/メーカー: Harper Thorsons
  • 発売日: 2002/11/04
  • メディア: ペーパーバック

 この手の男はナントカ・女はナントカ本大好きなんですが、過去読んだ際にはその内容について切実とか共感出来る状況でも無かったので所詮は知識と言うか上滑りして腹に落ちてなかったんだなと今更思う。そんな読書履歴でくどいほど繰り返されていた「女は共感脳・男は解決脳」と言うのは理屈では分かっているけどいざ現場でそんな状況に陥ると咄嗟に思い出さないんだよね、今回は身につまされる状況に有るので見事なばかりに腹に落ちてきます。

 と、言うと夫婦なり恋人なり異性のパートナーがいない人間には用無しの一冊みたいに思うかもしれません。しかし本書では現在進行形ではなく過去に母親から指図されて思わず「うるせえ!ババア!」とか返しちゃった男性や、父親や母親から放たれた心無い一言が何やら無意識のうちに被害者意識を持つきっかけになっているパートナーのいない男女にも身につまされる話が載っているのでお薦めよ。パートナーとの関係に自信のある向きにも、その自信は実は相手に忍従を強いてヘイトを貯めている最中に過ぎないと言う気付きの一冊にもなるので一読して損は無いです。

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徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪 [書籍他]

 辛い読書体験。

徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪 (月刊Hanada双書)

徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪 (月刊Hanada双書)

  • 作者: 小川榮太郎
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2017/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 何が辛いってこの「もり・かけ」問題にはほとんど無関心だったんだよね、「反日マスゴミ許すまじ」みたいな気概も無いし。おじいさんとおばあさんにしか相手をして貰えない左派メディアはゆっくりと死に絶えようとしているのがもう既定路線なので、栄養が行かなくなって壊死するに任せておけば良い。と言うのが組合で2回ほど朝日新聞と組んで「若者向けイベント」を仕掛けて結局2回とも老人向けイベントに成り下がった経験と、親が入所した関係で介護施設に行くと新聞を読む気力すら残っていない高齢者が大勢いると言う現実を目の当たりにして思うところ。

 他方、若い人は現実的でルソーの自然状態を礎に据える高齢左派の夢想的リベラリズムなんぞに関心が無いし。これだけ朝日新聞(毎日新聞、東京新聞も)が心血を注いで紙面を割いて叩き続けた安倍自民党が先の衆議院選挙で圧勝してしまいさぞかし自分たちの影響力の無さを思い知っただろうに、かと思うとそうでも無いのか?もう上述の新聞なぞ夕刊紙のゲンダイの見出し以下なので興味すら無いですが、「安倍自民党は倒さねばならない」と公共の電波でレギュラーゲストの老人が昨年公言していたTBSラジオのデイキャッチなんぞも最近は両論併記の体裁を取り繕ってたりするので、支持率を下げたのは自分たちの信用だけだと自覚しているのだろうか?

 本当にどうでも良いのですが、11月の始めに書いた話で本書の紹介をうっかりしていまい、なるべく紹介した本は読む様にしようと心がけているので入手した次第。2017年と言う年を代表する出来事なので今年の一冊として記念に取っておこうかと、何よりもAmazonのカスタマーレビューが面白くて、星一つでこき下ろしているけど明らかに読んでないレビューを読んでいると逆に買いたくなるよ。

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江戸の坂東京の坂 [書籍他]

 続編に続き150円でゲット。

江戸の坂 東京の坂 (全) (ちくま学芸文庫)

江戸の坂 東京の坂 (全) (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 横関 英一
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2010/11/12
  • メディア: 文庫

 6月に「続」の方を先に紹介しまして、今こうして最初に出た方を紹介すると言う。因みに新刊本で買うならば、ちくま学芸文庫の「全」の方が良いのだろうね、私の場合は古本屋の特価本コーナーで拾った安い本を読んで紹介しているだけなので皆様の黄金の読書体験に貢献しよう云々などと言う事はそもそも一切考えていないと言う。その続編で書いた通りに坂ブームを巻き起こした一冊です、TBSラジオのイジュ坂954も不定期でネタ提供しているし。

 続編は坂の各論だったのが本書は総論、坂の名称の由来となった形状や周辺に何があったか?を整理して伝えてあります。それよりも坂道の泰斗である横関英一氏の本を2冊読んでようやっと思い至ったのですが、江戸時代の道路って未舗装路なんだよね、今日我々が歩く未舗装路なんて砂利が撒いてあったり土が固めてあるのですが、2冊読むと雨の日なんぞは泥が粥状にになったぬかるみが傾斜地になってるんだなとようやっと思い至りました。

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やってみなはれ みとくんなはれ [書籍他]

 例によって百円でゲトー。

やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫)

やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫)

  • 作者: 山口 瞳
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/08/28
  • メディア: 文庫

 当時まだご両名ともサントリーの社員だった山口瞳(直木賞作家)と開高健(芥川賞作家)によるリレー小説、と言うのはこの文庫本の体裁であって元々は昭和44年に社内報に載った社史なんだとか。文庫版は巻末に加えて斎藤由香氏の短いコラムと、常盤新平氏の解説が載っています。斎藤由香氏は昭和37年生まれと私と歳も近いのでこの両賞作家時代のサントリーではなく80年代90年代のイケイケドンドンなサントリー時代をちょっと書いていてむしろそれが楽しかったりする

 バブル景気もバブル崩壊も税理士受験生だった私には無縁の世界でしたが就職していた友人たちは残業代満額貰って賞与も凄い事になってたからね、仕事も遊びも全力でやる時代でしたよ。本文は元が社史だけにサントリーの主なトピックが読者の頭に入っている前提で話がドンドン進むので、門外漢の私なぞ人物の相関関係が全然分からず困っていた上に時系列が時々前後する両氏の文章の分かり辛さを見事に解読してくれる常盤氏の解説が実にありがたい。

 大体は山口氏が主に戦前のサントリーと創業者鳥居信治郎伝を、開高氏が戦後サントリーと2代目社長の次男坊佐治敬三氏を中心に語る体裁。お酒で言うと山口氏が赤玉ポートワインとサントリーウイスキーの話で開高氏がサントリービールの話かな。2代目が次男坊なのは長男坊の鳥居吉太郎氏は昭和15年に亡くなっているから、しかし吉太郎氏の妻が阪急創業社長の小林十三氏ご令嬢だったりなので登場人物も派手、池田勇人元首相も国税庁の役人として登場するし。実は鳥居信治郎よりも小林十三の方が興味あるんですが、そちらは邱永漢氏が出しているのを読めば良いか。

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ジュリアス・シーザー [書籍他]

 また新潮文庫の福田恒存訳を買ってしまった、古本屋で150円だけど。「ブルータスよお前もか」で劇的に終幕するのかと思ったらそんなのはサワリのマクラだったわ。

ジュリアス・シーザー (新潮文庫)

ジュリアス・シーザー (新潮文庫)

  • 作者: シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1968/03/27
  • メディア: 文庫

 シェイクスピアなら岩波文庫でも良いなとは思っているんだけど、マクベスは福田訳の新潮文庫版の他に岩波文庫も入手したら、岩波版訳者のあとがきが福田訳を意識してちょっと攻めている様な事を書いていたのよ。まだ読んでないけど読み比べたら面白いだろうに、その調子でネットに転がっている英文の原書を読み比べると更に勉強になるし己の語彙力も増すだろうな。とか思いつつも出先へうっかり移動の友の書籍を携行し忘れたので現地の古本屋にてマクベスならぬ本書を調達した次第。

 新潮文庫版は4部構成と言うのか?先ずはシーザーを暗殺するまでのくだりで次いでブルータスとアントニーが演説をするシーン、そして唐突に始まるブルータスとキャシアスの喧嘩から終幕まで。最後に福田恒存氏の解説と「プルターク英雄伝」からの長い引用が結構なボリュームで付いています、プルターク英雄伝は若き日の田中角栄も読んだと言うので挑戦してみたいなと思っていましたが巻末の引用は眠くて読みたいと言う心が折れました。本編はテンポ良く読みやすいのにね、旧漢字への拘りがある福田恒存氏と旧字をそのまま載せる新潮文庫なのでそれがダメなら岩波版なのでしょうけど、岩波も訳が古くどの道今風の言い廻しでも無い。

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竜泉で樋口一葉 (台東区竜泉) [書籍他]

 先日、たけくらべ所縁の台東区竜泉や下谷吉原界隈の紹介記事を上げましたが、竜泉界隈にはたけくらべと言うよりも一葉所縁の史跡が色々と。本人が住んでいたのは10か月ほどですが没後に色々と出来た様で、その中で最新の物が平成20年に完成した千束稲荷神社の樋口一葉像なんですが、享年24歳で栄養状態が悪かったであろう人物の胸像にしてはやっぱりゴツ過ぎると思うよ
ゴツい
 ベースキャンプにするのはやはり一葉記念館向かいの一葉記念公園で、何がベースキャンプかと言うと原付を乗り捨てるのに最適の場所なのよね。公園内には佐佐木信綱氏の句碑と菊池寛・小島政二郎の連名による碑もあるのですが、まあ先ずは旧居跡だわ。うなぎ屋の向こうに看板だけ建っていて、コレを見る前に是非記念館に行って当時のジオラマを見てからだと「鶉なく声もきこえて花すゝきまねく野末の夕べさびしも」とその場の様子を詠んだ一葉の気持ちに得心がいくのですが、現在は普通に普通の住宅地。そんな寂しい場所で向かいの商売敵とバトルしていたんだなと感慨にふける要素多数。
旧居跡
 たけくらべでは、「赤蜻蛉田圃に乱るれば横堀に鶉なく頃も近づきぬ」と、どうしてもウズラがポイントなのか、アレはかなりけたたましく鳴く鳥だけど。日暮里に当時あった火葬場(現町屋斎場)から上がる煙と炎の明かりが見えてまた寂しい風景と描写しているので、それを読んでから現在の住宅街っぷりを見ると変遷にビックリします。

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タグ:三ノ輪
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にごりえ・たけくらべ [書籍他]

 百円で大満足、面白いし読みやすい。

にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

  • 作者: 樋口 一葉
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/01
  • メディア: 文庫

 と言う事で古本屋で百円にてゲット、この手の文学作品が僅かワンコインで手に入るのは何とも有難い。しかし10年前に金色夜叉を読んだ際に冒頭10ページのカルタのシーンが旧仮名遣ひで描写されているだけで読むのに大変苦労をした記憶が有るのですが今回はスラスラと、つまりは旧仮名については慣れているか否かで読みやすさはどうしても変わってくる。10年前の私レベルだと酷く読み辛い一冊ですが現在の私にとっては造作もないので誰にでも勧められるかは微妙。

 230ページ中小説部分は190ページほどでそれに20ページの注解と9ページの解説に5ページの年表が付いているのはやむを得ない、何しろ本編には当時のファッション描写や流行りの芝居や読み物に掛けた様な言い回しにロケーション描写がビッシリ登場するので、130年前の風俗なんぞコチラはさっぱり意味不明ですが一葉も女子だったのだなと変に納得してしまうファッションへのこだわりがある意味カワイイ。

 小説と呼べるほどのボリュームが有るのは「たけくらべ」位でして他は短編と言うかショートショートなボリュームばっかり、樋口一葉童貞の私としては本書を最初から読むしか無いので最初に収録されている「にごりえ」がいきなり心中物?だったので一葉ってこんな作家なの?と構えたらむしろ他の作品は何かが起きる様でこれと言ったカタルシスも無い作品ばっかりで拍子抜け、にごりえが心中物だったのでそんな展開に!?と思うと当時の女性の地位や社会情勢からすると当り障りのない着地点で話が終わるのが生煮えな様な救いが無い様な。

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ユートピアだより [書籍他]

 科学的、実に科学的。

ユートピアだより (岩波文庫)

ユートピアだより (岩波文庫)

  • 作者: ウィリアム・モリス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/08/21
  • メディア: 文庫

 実に400ページ近い本なのですが読みやすい翻訳なのとそもそも学術書ではなく詩人の書いた軽いお話なのでサクサク読める、しかしいきなり本文を読むよりは巻末の解説を先に読んだ方が読みやすいわ。その解説に「共産主義社会への移行の過程がマルキシズムの立場に従って精細に科学的に述べられている」とあるとおり、本書を読めば共産主義が如何に非科学的な妄想なのかが実に科学的に理解できると言う意味で必読の一冊です。

 と言うのも、19世紀末のロンドンとほぼその延長線上にある1950年代までのロンドンの市民と言うよりもイギリス国民がモリスに徹底して侮蔑すべき存在と描写されていたのが、革命の過程で突如ユートピア住民にふさわしい超人に差し替えられるんだよね。SF映画に有りがちなある朝突如隣人が皆インベーダーやロボットにすり替わっていたと言うレベルの話で、革命のプロセスで何をどうするとみじめな賃金労働者が超人になるかの描写が一切無い

 そして21世紀のユートピアと化したロンドン住民は生まれてある一定の年齢になると自主的に学習を始めて読み書きそろばんを身に付けるそうな、「狼に育てられた少女」みたいに教育を受けないと人語も解さず四つん這いで暮らす事は無いらしい。教育を受ける権利を訴えてノーベル平和賞を受賞したマララさんが聞いたら卒倒するレベルの幼稚なバカ話。そして誰もが自主性と向学心向上心を持ち進んで労働に従事する為いつまでも健康で若々しく、それでいて発明やイノベーションを嫌うので世界は進歩も発展もせずむしろ理想化された14世紀イギリスの暮らしに退行するんだとか。

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続 江戸の坂東京の坂 [書籍他]

 予想以上に読みやすい一冊。

続 江戸の坂東京の坂 (中公文庫)

続 江戸の坂東京の坂 (中公文庫)

  • 作者: 横関 英一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1982/02/10
  • メディア: 文庫

 何故「続」からか?と言うのは例によって古本屋の棚から安い文庫本を見繕って来るから、ちゃんと系統だって読書するなら前作も読まないとダメだけどそれはAmazonで1円古本を拾ってくるしかないか。もう私の様な浅学の徒ですらタイトルだけは知っている一冊で出版当時は坂道ブームを巻き起こした一冊だそうな、今日その辺の坂にでも名前と由来を書いた札が立っているのも本書のお陰なのだろうか?

 何が読みやすいか?と言うのは、先ず昭和50年当時の地番表示に基づいているので平成の世になるともう整合性が取りようも無いのですよ。六本木交差点の向こう側が龍土町とか言われても私が港区の住所表示に思い至る様になった頃にはもう全て六本木ですからね。それと「昔の地名とのつながりのない地名ほど、さびしい悲しいものはない。」(148ページ)とある通り、もう自治体の合併だのなんだで「希望ヶ丘」だの「平和通り」なんぞには歴史的な地名と縁も所縁もありはしない。

 本書ではすれ違うのもやっとだった坂が拡幅で名前の由来が無くなってしまった、何て書いてありますが「赤坂の霊南坂谷町に下る雁木坂」(51ページ)界隈なんて30年前に森ビルがアークヒルズを再開発した時に山口百恵と三浦友和が結婚式を挙げた霊南坂協会もろとも跡形も無くなった様な?その後も森ビルは六本木だ虎の門だと町単位で更地にして再開発しているので今となっては本書を含めた文献を辿るしかないな。

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