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この世界の片隅に [映画・TV]

 2016年話題のアニメ、「この世界の片隅に」と「君の名は」は年内に観よう。



 賢明な読者の皆様なら私が毒を吐きまくっているのはよくご存じかと、しかしこれでも毒を吐くのを止めたいと心底願い直そうと努力しているのです。なので、何かを持ち上げる時に全然関係の無い別の何かを引き合いに出して叩くのは下衆だから止めないと。とは思っているんですが、大変申し訳ないのですが私の吐く毒をちょっと浴びて下さい。

 9月までNHKの朝ドラで「とと姉ちゃん」と言うのを放映していまして、その戦時中の描写がもうあり得ない位に酷かったのですよ。もうね、日華事変から太平洋戦争の終戦まで日本国内がピリピリしていたとか言う描写で、町会長が極右の国粋主義者みたいに描写されていたり。ステロタイプな安っぽい戦時描写過ぎるし、第一そんな生活を何年も続けたら人間の神経は参ってしまうよ。この映画は原作漫画の他に今年ドラマ化?されたそうなので、そちらにはそう言う戦時下描写があるのかもしれない。

 と言う不満を吹き飛ばす、戦争中の日常と日常に戦争が割り込んできた時の非日常をメリハリつけて描写している良い映画です。何せ映画の話が本格的に動き出すのはヒロインのすずさんが呉にお嫁に行く昭和19年からで、それまでの広島や呉の生活描写のユルさは戦時中でもこんなもんじゃないのかね?すずさんの実家は海苔養殖業で、大田区も昭和30年ごろまで海苔養殖をやっており私のクライアントにも元海苔業者だった人もいるから親近感もわく。何せ「海苔のふるさと館」収蔵の道具にはその方が提供した物もあるし。


 そんな海苔養殖が埋立てで廃業したのは広島も大森も一緒だけど時代が20年くらい違う、すずさんは18歳の時に乞われて知らない人に嫁ぐのですが、実は知らない人どころかちゃんとなれ初めがあってそれが明かされた時にはそうなのか!?とか感心してしまったよ。広島と言っても海苔養殖だから東京で言えばやはり海苔養殖の大田区大森東辺りから呉の山沿いな斜面の家へ、昭和19年なのでのんびりはしているけど路線バスが戦略物資のガソリンではなく薪で動くから坂の上のバス停まで登る馬力が無い。

 嫁いだ先は一升瓶を使った精米ばっかりしている義母と、2,000馬力のエンジンを語ったり突如居眠りしたりと緊張感が無い義父がおり、斜面なので下まで井戸に水を汲みに行って(バケツに名前が入っている)文字通りの段々畑を作ったり。女性は全員モンペ姿だし配給の食事はどんどん貧しくなるのですが、すずさんの妹は陸軍の将校と仲良くなって色々貰ったり軍用トラックに便乗したりとユルい。如何にもな戦時描写で憲兵は出て来るけど笑かし担当だ、戦争中から既にヤミ市がある描写は感心してしまった。

 憲兵の話は長谷川町子氏の「サザエさんうちあけ話」に出てきたまんまだったので、原作者は色々資料収集しているのかなと。サザエさん~でも機銃掃射の話は出てきますがこの映画でもあった、何せ呉は軍港なので焼夷弾の前に通常爆弾で軍艦を沈めに来るから空襲は他の都市よりも大変だ。防空壕も爆弾の破片から身を守るには優秀だなと、町会での座学で焼夷弾や通常爆弾について勉強をする描写もあり、こう言う異常な日常を淡々と描写する方が戦争の悲惨さを描くには良いなと。

 昭和19年はまだ映画館もやってるし遊郭も営業をしている、すずさんが遊郭に迷い込んで友達が出来る話は原作だともうちょっと色々あるみたいですがそれでも135分も上映時間の有る映画では登場させただけ。ラスト近くに唐突に登場する母親の屍にウジが湧いて崩れてしまう虱だらけの子も原作読んでりゃなんだろうけど無理やり登場させてるなと。因みに都内じゃ終戦前は入浴もままならなかったので虱を沸かせた人も多かっただろうけど呉ではこの映画を観ると風呂に入っていた様で。

 舞台が呉と広島なので当然アレが未来人の我々としては気になるところで、ソノ日にすずさんが広島に帰るとか言うので先の展開が不安になる。そんなんでボンヤリしていつも首が斜めになっているすずさんも段々と溜まってこみあげてくるものがあって、やっと本気を出すのが終戦の日と言うボンヤリを貫く感じが好き。ドラマが昭和21年まで続くのも良いし、サトウハチロー作詞の歌も良いです。

この世界の片隅に
http://konosekai.jp/


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