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馬込時代の川瀬巴水展 [郷土博物館]

 日曜日に東調布公園の屋内プールに向かうべく自転車を漕いでいると区の掲示板に川瀬巴水の「馬込の月」が貼ってあるじゃないの、ははあ、郷土館で川瀬巴水の展覧会をやるに違いないなと思いつつも通り過ぎてしまったので帰りに掲示板をしっかり読むと「馬込時代の川瀬巴水」展・大田区立郷土博物館・12月1日から24日までだと。因みに入場無料なので後で行くか。
馬込の月
 川瀬巴水は戦前戦後に活躍した風景画家というか版画家で、「馬込の月」以外にも「池上市之倉」とか本門寺の五重塔とか大田区モチーフの作品が多いので区の郷土博物館がコレクションしている事は何となく聞き及んでいたんだよね。と言うより広重だ芳年だと言うほど昔の人じゃない上に版画なので流通量も多く今でもその作品が数万程度で入手可能だったりだから不思議じゃないか。私も機会が有ったら大田区の作品だけ揃えようかと思っている位だし。

川瀬巴水木版画集

川瀬巴水木版画集


 そんなんで生まれて初めて郷土博物館へ、出来て30年近い気もするけど鉄道の駅から遠く自転車を寄せ付けない起伏の激しい丘陵地と言う大層不便な場所にあるから仕方ない。バスが近くを走っているのと駐車場が何台分か有る(23区内の施設では珍しい気がする)のでそれで来るしかないか、と言いつつも原付で簡単に来場したり。丘陵地の中腹で西馬込方面を見降ろすとすぐ脇に破風屋根の立派な日本家屋があったりする。

 なんだか如何にもと言うか典型的な昭和50~60年代に竣工した大田区の施設だな~、と言う造りです。展示会場は2階なので階段を上がるけど病院や葬儀場に有るような巨大エレベータ(展示品の搬入を考えてなのでしょうけど)で上っても良い、そのエレベータで上がった先が特別展の会場です。略歴を読んで何がビックリしたかって鏑木清方の弟子だったと言う事、美人画一辺倒の清方と風景画の巴水じゃ違い過ぎないか?それと池上梅園伊東深水のアトリエ兼自宅だったのもビックリだ、昔の大田区は田舎だからそんな大規模な敷地も確保出来たのだろうか?伊東深水もどっちかと言うと美人画畑のイメージなんですけど風景版画もやってた事を知ったのも今回の展示の収穫か?


 昭和30年代まで存命だった人なので版画も先ず版元の解説からと言うのが斬新と言うかコレクターはソコ見るんだろうな。広重辺りだとそんな話はあまり出ないけど、複数の版元と契約していたから一回のスケッチ旅行で同じモチーフだけど違う構図の版画が何枚も違う版元から売り出されるんだそうで、その辺は変なアーティスト志向が無い職人的発想の浮世絵師にちかいんだろうなと。

 展示ですが無料だし大田区郷土博物館なので所蔵の大田区内スケッチ画何枚かと後はスチールやパネルで誤魔化すんだろ?と全然期待せずに行ったのですがまさかの展示94点、案外見るのに時間が掛りました。来場者はほとんどが老人なのですが中高年や小学生連れのパパもいたり、私は大田区モチーフの作品が多い川瀬巴水に興味は有ったのですが現物を見たのは今回が初めてだ、展覧会やってなかったからだけど。

 日中の作品は彩色した線画そのもので木版画だな~と言うか刷りのレベルは江戸時代の方が高いと言うか技術蓄積がいったん途絶えちゃったから仕方ないのだろうか?しかし夕方から夜の作品の美しさは川瀬巴水ならではですね、灯がほとんど無い(3つ)大森海岸の夜とか月明かりの描写とか。中でも雪の夜を題材とした作品が多く芝公園とか山王日枝神社とか戦前は都心でもけっこう積もるんだな~池上本門寺の参道にうっすら積もった様子はむしろ戦後かなり経って復元された様子なので見覚えがあるようなないような?
池上本門寺
 何せ最近の人なので試し刷りだの当時の版元での実際に色を重ねていく様子なんてのも状態良く残っています、朝鮮旅行の風景版画も屋根の下から直接柱が生える様に見える朝鮮建築の日本と違う独特さが画家の視点を通じて見る者に印象深くなるようになっていて面白かった。とにかく無料なんだし展示も良かったので大田区民以外の方も足を運んでみては如何?

大田区立郷土博物館 平成24年度 大田区立郷土博物館 「馬込時代の川瀬巴水」展
http://www.city.ota.tokyo.jp/event/event_bunka/kikakuten24_hasui.html


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