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「嫌消費」世代の研究――経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち [書籍他]

 ん~、「下流社会」っぽい。三浦展氏は1958年生まれ、本書の松田久一氏は1956年生まれだから同じ世代にくくって良いのかな?

「嫌消費」世代の研究――経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち

「嫌消費」世代の研究――経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち

  • 作者: 松田 久一
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2009/11/13
  • メディア: 単行本


 何が三浦展氏っぽいかって、ほとんど直感で閃いた「最近の若い人は消費が嫌い」を統計やマーケティングの手法で証明しようとして上手くいっていない点が。グラフや図を多用して読者の集中力を削ぐのも似ている。てか、専門的過ぎる部分をごっそり削れば新書に収まるボリュームだったんじゃ?それを700円くらいで出せばもっと売れると思うんだが。第4章の「世代論はどこまで有効か」なんて50ページ中本文に関係あるのは5ページ位で後は要らない専門的な話だ。

 オビのクルマ買うなんてバカじゃないの?」と言うのに40代以上としてはドキドキです。読み始めるといきなり、「クルマ=バカ」に加えて大型テレビも要らない、海外旅行なんて行きたくない。とか中高年消費大好き世代にはビックリな事が羅列してあってビクビクしちゃいます。しかし、その消費が嫌いな世代を「バブル後世代」と言う事にして、それ以前の世代とどう違うか?と言う本ですから実はそれこそ戦後に限っても団塊世代から団塊ジュニア世代まで何度も繰り返されてきた「世代論とマーケティング」の話で、ああ詰まらない本買っちゃったなと。

 本書の言う「バブル後世代」とは、団塊ジュニア世代より若く少子化世代より年上、具体的に1979年~83年生まれなんだそうで、その世代の特徴として挙げられるのが「嫌消費」だそうな。つまり現時点で20代後半世代と言うことで、そんなの昔から消費意欲は大きいけど収入はまだ少ない世代だからな、と思ったら本書データでも消費意欲は高いが収入の割にお金を使いたがらない世代なんだそうな。保険の営業担当嬢がまさにその世代ですが、消費意欲は高いしあれこれ買い捲っているけどな。

 つうか、「自動車・AV機器・海外旅行」に無関心な事に松田氏は強く衝撃を受けているようですが、そう言う財貨の消費で見ると確かに「嫌消費」か?海外旅行は財貨じゃないか。他方、携帯電話の通話料はその財貨系消費の大好きな世代からするとビックリするほどかかっていて、それこそ無料通話分の繰越が「無料通話繰越サービス」が始まって以来恒常的に繰り越し続けている私なんぞからするとその「バブル後世代」の月の電話代数万円こそ異常な消費以外の何者でもないんだが。


 と、言ってしまうとそれまでの、「今時の若い子はケータイ料金にお金が掛かるのでモノを買わなくなった」と良く言われる事以上の事では何も無い気もします。それでハイおしまい!じゃ天下の東洋経済も単行本を出した意味がない。「バブル後世代」特有の問題として「劣等感」と「いじめ」を挙げているのが実は単なる世代本だけど本書の面白い部分だなと。

 つまり、小学生時代にバブル景気と「汗水たらして働くなんてバカらしい」と言うバブルの空気、中学生時代にバブル崩壊と「清貧の思想」を体験し、生活実感としては競争社会なのに学校では「ゆとり教育」により現実を否定された事が原因じゃないの?との事。この世の中の価値観の180度転換は戦前生まれ(「焼け跡世代」と呼ぶ)の体験と同等であるのではないか?との事。本書で言う「新人類世代」ですがそんなに大変だったかね?

 また、いじめが一番陰湿だった世代が「バブル後世代」なんだそうで、日替わりでいじめたりいじめられたりでそんな警察国家と言うか密告社会みたいな全体主義教室で育てばそら他人は信用しないし足を引っ張るわな。そう言えば2chのブックマークしてあるスレッドを3日の夕方くらいに正月三日分をまとめ読みしたら新年の0時10分くらいに他人の足を引っ張る様な罵倒系書き込みをしている奴がいて可哀想になったけど、その人もそう言う生い立ちなのかね?

 私見ながら、そう言う陰湿ないじめは「平和教育・平等教育」が原因だと思うんだがどうだろう?つまり暴力を力で押さえつけるから地下化する、陰湿化する。教条主義的な結果平等を押し付けると他人と違う事をしたり目立つ奴は足を引っ張ったり潰しにかかる人間を作り上げたのが平和・平等教育ではないかなと?理念の正しさ、美しさより成果、結果を大切にしないとね。私に近い世代でも「平和・平等」意識の強い、そう言う教育を受けた人は横並び意識が変に強く足を引っ張ったり止めさせようとするからね。

 つまり、世代で大体くくる事は出来るでしょうが、同世代でも受けた教育や周囲の同世代の質でその辺は結構違って来ると思うんだがどうだろう?それこそ例えば団塊世代もイコール全共闘世代かと言うと、大学に突入した機動隊員も団塊生まれで、それこそ違いは親が金持ちか貧乏か?位しか無いし。太平洋戦争初戦で「マレーの虎」と呼ばれた「サムライ戦車隊長」こと、島田豊作氏も「大学か陸軍士官学校か悩んだが、大学に行くとアカになるので陸軍にした」なんて下りもあったしな。

 話を戻すと、強烈ないじめ体験と劣等感を持ち、それでいて上昇志向は他の世代より強いとされるバブル後世代の消費パターンは嫌消費な割に「横並びと見せびらかし」だそうな。横並びは「皆が買うものは買う(バンドワゴン型)」でああいじめと平等教育世代ですね、と言う感じですが、みせびらかしはいじめのターゲットになるから不味いんじゃね?と思ったら「買ったらいじめターゲットになる」モノはみせびらかし効果が高くても買わないんだとか。

 いじめのトラウマが消費性向にまで及ぶのは哀れと言うか。んで、冒頭の「自動車・AV機器・海外旅行」なんぞはいじめターゲットにして下さいと宣言するような物だからそら買わないわな、と言う解説を松田氏はしていませんがそう言う事なんだろうなと。かように消費の意思決定が「他者依存」なのがこの世代の特徴で、そんな警察国家的小中学生時代を送ってきた彼らの恐怖体験は容易には消えないのかと。

 ただ、それじゃあ彼らに消費させるにはどうすれば良い?と言うのに何パターンが提案がしてありますが、バブル後世代を「相互監視の警察国家」から開放すれば良いんじゃないの?つまり、「クルマ買うなんてバカじゃないの」とか言いつつケータイ代が5万も6万も掛かっているような同世代との接触を絶たせて、それこそポルシェだフェラーリをバンバン買い換えているけど携帯電話は毎月基本料金しか払っていない大人の仲間入りさせてしまえばそれで済む事だろう。あ、それって「まずは、つき合う人を変えなさい!」だ。

【関連】 恋愛と贅沢と資本主義

【追記】 丸1年のブランクでどうしたんだダイヤモンド?
ダイヤモンド・オンライン 消費インサイド 【第20回】 2010年12月8日 田島 薫
消費を悪と考える「嫌消費」世代が市場で台頭!景気を低迷させかねない“買わない心理”とは
http://diamond.jp/articles/-/10354


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yukikaze

育った時代、成長過程でいろいろな情報操作されたものを見て、最終的に疑心暗鬼になった世代が、周囲の情報に耳を閉ざして、誰の言葉にも耳を貸さなくなったために結局、判断できず、モノを購入する決断ができなくなったのではないかと思っています。
by yukikaze (2010-01-05 20:33) 

furitann

 そうですね。そう言う人も当然居ると思うので、やっぱり単純に世代論でくくって良いのかな?と本当に思います。
by furitann (2010-01-05 23:37) 

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