So-net無料ブログ作成
検索選択

だまされないための年金・医療・介護入門 [書籍他]

 ブログの紹介記事を読んで購入。Buzzマーケティングだねえ。ところが、普通のビジネス本のように2時間で読み切ることが出来る内容ではないので電車移動の友として読んでいたら確定申告期に入ってしまい20日ほど中断したりしたのをようやく読みきりました。

だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方

だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方

  • 作者: 鈴木 亘
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2009/01
  • メディア: 単行本


 鈴木亘氏は経済学者と言う事で「現行の賦課方式を清算して積立方式へ再移行せよ」と言う持論を展開していて、メディアや「ミスター年金」の「けしからん論」に黙っていられず「お前らの方がよっぽどけしからん」と言う意見を開陳する為のある意味非常に政治的なパンフレットです。ですから、厚生労働省と「年金、社会保障の専門家」と鈴木氏が呼ぶそのOB達を悪者と言う事にして「自分の言うとおりにすれば万事解決します」と言う調子の積立方式レコメンドに仕上がっていて、その辺りは鵜呑みにしないで話半分くらいに聞いておいた方が良いんだろうなと正直思いますが、年金等の歴史や発表される数値の算定根拠なんぞが良く判るので一家に1冊揃えておけば少なくとも報道には踊らされなくなるなと。

 政治家や厚生労働省OBたちの国民に余計な事を教えると却って混乱する、年金不信が広がると言うのを鈴木氏は「愚民思想」だと批判していますが、情報開示はしない方が良い、と言う発想は都市伝説流布の根本要因だからね。「社人研」なる聞いた事もない団体の描く「非現実的な出生率の急回復シナリオ」がその計算根拠なんだとか。自前のサイトも持って公表もしているので検証はご自身でどうぞ。但し、>この推計結果のデータは,公表資料のうちの概要に記された推計方法と仮定を十分にご理解の上,ご使用いただきますようお願い致します.との事で社人研イズムを理解しない奴は使うなという事か。都合の良い部分だけ抜き出して政治的に使う輩が多いからか。

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)
http://www.ipss.go.jp/

 その他、「コラム3」で「長瀬式」なる医療費の縮減率を算定する戦前の算定公式を未だに使い続ける厚生労働省とか、素人の私ですら戦前と21世紀では日本人の人口構成も平均寿命も乳幼児死亡率も別物であると判るのになんでそんな物未だに使うのかな?とか「コラム5」の年金財政予測算定用極秘(笑)プログラムを木村剛氏が行政文書の開示請求を使って公開させたり、>さまざまな時代のバージョンの違うコンピュータ言語(FORTRAN)が使われているなど、なかなか外部の研究者がわからない仕掛けが随所に行われているようだ。てそこまでして護りたいものって何なんだろうね。秘密主義もここまで来ると都市伝説どころか、池田信夫氏の福祉行政は税に統合して厚労省を廃止と言う議論にどうしてもなるんだがね。


 また、民主党の支持団体でもある自治労が「ミスター年金」長妻昭氏をスポークスマンに厚生官僚たたきをしていることについても、民間企業なら経営側と労働組合と言う利害の対立する組織がけん制しあう事が組織の正常化につながるのに対して、厚生労働省や社会保険庁では自治労の組合員と官庁(とまあキャリア官僚か)には利害の対立がない為組合が騒いでもけん制が生じないのでは?という見立て。

 なにか民主党についてよく言われる「ブーメラン」の本質を突いているような気がして妙に得心がいってしまいました。つまり元々対立軸が存在し得ない事柄に対立が有ると言う間違った前提で活動するから相手への攻撃のつもりが実は自分への攻撃になっているのかと。いま熱心にやっている「悪いのは官僚」と言うキャンペーンも民主党政権になると実は官僚と利害的に変わる所の無い自治労にそのまま跳ね返るのかなと。何せ本書に登場する官僚サイドも市場原理を病的に嫌ったり(こう言うのって東大で刷り込まれるんだろうか?)と思想的な対立も無いしね。

 最後に戦後、伊丹万作氏(伊丹十三監督の父)の言葉を引用、>今度の戦争でだまされていたという。みながみな口を揃えてだまされていたという、私の知つている範囲ではおれがだましたのだといつた人間はまだ一人もいない。と言う言葉が紹介されていてそれが本書のタイトルのネタです、と言わんばかりですが「だまされた、被害者だ」と自分が可哀想と騒ぐよりは勉強すべきでしょ。年金制度等の問題はニュースや新聞ではいよいよだまされるだけですが、本書はパンフレット部分を除けば正しく入門本として良くまとまっています、専門用語が多いから読み易くはないけど。

池田信夫 blog 2009-02-04 だまされないための年金・医療・介護入門
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/44ee1862b7436fea185cbf4f85428c27

404 Blog Not Found 2009年02月04日 06:00
唯一まともな社会保障本 - 書評 - だまされないための年金・医療・介護入門
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51173838.html


nice!(1)  コメント(14)  トラックバック(1) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 14

サンフランシスコ人

伊丹十三監督の”たんぽぽ”.....サンフランシスコの映画館で上映中...

http://www.landmarktheatres.com/san-francisco/opera-plaza-cinema/film-info/tampopo
by サンフランシスコ人 (2016-11-23 04:24) 

サンフランシスコ人

この映画のおかげで、ラーメンを生まれて初めて食べてみようかと思う人達がいます....
by サンフランシスコ人 (2016-11-24 01:56) 

furitann

 え?お父さんつながりですか。
by furitann (2016-12-02 10:07) 

サンフランシスコ人

12/2 伊丹十三監督の”たんぽぽ”.....米国公開30周年記念....サンフランシスコでは上映続投....30年前、この映画を見るまでラーメンを知らなかった人達ばかりでした...
by サンフランシスコ人 (2016-12-03 08:49) 

furitann

 サンフランシスコ人さんの書き込みを見ているとラーメンはメジャーかと思いますがそうでもないんですね。
by furitann (2016-12-09 08:58) 

サンフランシスコ人

サンフランシスコでも、大多数の人達に対して、日本食はその他の食品です..
by サンフランシスコ人 (2016-12-10 03:26) 

サンフランシスコ人

1/20 伊丹十三監督の”たんぽぽ”.....カリフォルニア大学バークレー校で上映..

http://www.bampfa.berkeley.edu/event/tampopo-0
by サンフランシスコ人 (2016-12-14 09:03) 

 サンフランシスコ人

「サンフランシスコ人さんの書き込みを見ているとラーメンはメジャーかと思いますが....」

ラーメンとSushi Burritoを一緒に食べる習慣や風習が出てくれば、ラーメンはメジャーになるかもしれない ....

http://www.unlv.edu/news/article/soho-sushi-burrito-debuts-unlv-student-union
by サンフランシスコ人 (2016-12-16 01:54) 

furitann

 海苔の方が間違いなくヘルシーなんですが、やっぱり糖質食べたいんですね。
by furitann (2016-12-21 09:04) 

サンフランシスコ人

「海苔の方が間違いなくヘルシーなんですが....」

大多数の人は、気味が悪いと思う..

「Sushi Burritoを一緒に食べる...」

メキシコ料理の一部になれば、市場・流通の開発が難しくないです...

by サンフランシスコ人 (2016-12-23 08:53) 

furitann

 知らない人が見たらあまり食べ物ぽくないですね、トルティーヤよりヘルシーなんですが。
by furitann (2016-12-26 07:39) 

サンフランシスコ人

ボストンでは、海苔も..

http://www.nbcboston.com/news/local/Sushi-Burrito-Boston-Pokeworks-Somerville-410638415.html
by サンフランシスコ人 (2017-01-15 07:41) 

furitann

 カリフォルニアロールに次ぐ海外発の寿司かもしれない>寿司ブリート
by furitann (2017-01-15 12:39) 

サンフランシスコ人

4/8 伊丹十三監督の『たんぽぽ』をサンフランシスコの日本町の映画館で上映します.....

http://www.jffsf.org/cbff2017/tampopo/




by サンフランシスコ人 (2017-03-12 06:23) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 1